食生活以外ではどうか。楠さんは掃除も大切だという。

「『アレルギーの木』という最近出てきた考え方があります。根元にあるアレルギーがあると、そこから後々、花粉症や食物アレルギーなどにもつながりやすいと言われています。特に子どもの場合、最も元になりやすいのがダニアレルギーです」

 ダニの死骸によるダニアレルギー。通年での注意が必要だが、とくに秋に多いという。
「いつも部屋をきれいにしておくことも大事です」

 部屋の環境では、もう一つポイントがあると楠さんは言う。

「冬の乾燥で鼻粘膜を痛めてしまうと、後々の鼻のアレルギーにつながりやすい。春の症状を抑えるためにも冬は部屋の加湿にも気を配ることが大切です」

 体を動かすことも、花粉症のための「養生」の大切な要素だと前出の若林さんは言う。

「アレルギーは陰と陽のバランスが崩れることで体の上に向かっていき、顔より上に症状が出やすくなる。だからこそ、下半身を使うことが重要です。職場でも座りっぱなしにならないよう、ときどき立ち上がったり動いたりを意識してください」

 お薦めは、危険が無い程度の「階段駆け上がり」だという。

「東洋医学では『気をめぐらす』といいますが、血流をイメージしてください。一瞬の、汗もかかないような運動ですが、一気に血流がめぐりますよね。1日1回、駆け上がりで血流を作ってあげると、あとは自然と体中をめぐっていきます」

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2019年11月25日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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