と、いきなりITとは関係のない話だが、企業にとってネーミングライツは絶好のPR機会でもある。さらにもう一案、

「LINEのスマートスピーカー『Clova』が、ヤフーのパワーで一気に普及して、アマゾンやグーグルの商品より利用されるようになれば面白い。2強に日本の会社が対抗できるのか。日本語対応という点では利があるような気もします」(男性)

 デロイトトーマツコンサルティングが2018年に公表した「世界モバイル利用動向調査」では、日本のスマートスピーカー所有率はわずか3%とパイは小さい。だが、IoT化が進めば市場規模が拡大する可能性もある。ヤフーの資本力に期待大というところだろうか。

「ヤフーニュースのコメント欄でLINEスタンプが使えるようになる」というアイデアもあった。今あるのは、「そう思う」「そう思わない」の2アクションだけ。可愛いキャラクタースタンプが飛び交えば、殺伐とした“ヤフコメ”にも血が通うかもしれない。

 キャンペーン施策を提案する人も複数いた。都内のIT企業に勤める男性(30)は、

「企業カラーがヤフーは赤、LINEは緑なので東洋水産の『赤いきつねと緑のたぬき』とコラボして、『赤いヤフーと緑のLINE』なんてどうでしょう」

 ふくらみにふくらんだ妄想は、前出の関係者の声でパチンと割れた。

「すべて孫さんの掌の上、という感じです」

 孫さん、ここで紹介したアイデア、どうですか?(編集部・福井しほ)

AERA 2019年11月25日号

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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