「本当にやる気がない……」と、わが子をみてため息をついてばかりの親御さんは多いのでは? でも「やる気」ってどうすれば出るのでしょう? 「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版刊)で、坪田塾塾長の坪田信貴さんにやる気について聞きました。

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「『うちの子はやる気がない』『素直に言うことを聞いてくれない』。これは親御さんからよく聞く言葉ですが、それは実は親の勝手な思い込みに過ぎないのかもしれません」

 こう語るのは、通称“ビリギャル”の先生としても有名な坪田信貴さん。坪田先生は、心理学を駆使した学習法により、これまで千人以上の子どもたちを指導、圧倒的な実績を上げてきました。

「まずは親御さん自身が『やる気』に関して正しい知識を持ちましょう。お子さんがやる気が出ない理由がわかるかもしれません」(坪田先生)

 坪田先生に、5つの基本を教えていただきました。思いあたることはありますか?

(1)子どもは本来、みんなやる気満々である

 子どものやる気というと、勉強や運動などだけを対象にして、「やる気がない」と言っていませんか。でも子どもの側に立ってみると、自分がしたいことへの「やる気」はちゃんと持っています。遊びやゲームは言われずともやっていますよね。

 実は心理学にはやる気という概念はなく、あらゆる行動は「動機づけ」によって起こります。動機があるから動くのであり、大切なのは「いかに動機づけをするか」なんです。

 ビリギャルだったさやかちゃんも、最初は志望校すらありませんでした。でも僕とやりとりする中で、「慶應にはイケメンがいるかも」「受かったらみんな驚くよ、チョーウケる」とやる気になってきた。自ら行動するためには、どんな内容であれ、「動機づけ」が必要なんです。

(2)やる気は3つの要素から生まれる

 心理学でやる気(動機づけ)をもう少し詳しくみてみると、「認知」「情動」「欲求」の3つから成り立っています。

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AERA編集部
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