そこで、10月の4年生対象プロクラムを体験重視に練り直したところ、4年生というモチベーションの後押しもあったと思うが、指導者・受講学生ともに満足できる結果を得た。これらの大学への出前授業で、確かな手応えと共に教員養成大学のニーズを強く感じている。12月には「小学校理科教育」に位置付けた、正規枠授業を別の大学でも行う予定である。

 現場でプログラミング教育を指導できる先生は、圧倒的に少ない。そのような現状の中、教員採用面接で「大学で学んできました」と言えれば、採用の加点にもなるかもしれない。

「教員採用試験の強みになる」とは邪道かもしれないが、プログラミング教育を普及させる視点から考えると、何も動かないよりはいい。

 本来、文部科学省として「小学校プログラミング教育」を導入し、政府として情報教育を広く取り組んでいく方針を示しているのだから、教員免許状取得に関する単位取得のカリキュラムの見直しもしっかり図ってもらいたいのだが、今の大学教育改革のゴタゴタを見るにつけ、このカリキュラムの見直しも早急に行うことは難しいのかもしれない。

 いつまでも現場主義に支えられる日本の教育観は変わらないと痛感する。

 とは言え、待った無しの全面実施までの5カ月。1大学でも視野を広げて大学の授業に「プログラミング教育」を取り入れていただきたい。要請があれば、大いに支援していきたい、将来の子供達のためにも。

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福田晴一

福田晴一

福田晴一(ふくだ・はるかず)/昭和31(1956)年、東京都生まれ。みんなのコード学校教育支援部主任講師、元杉並区立天沼小学校校長。約40年の教員生活を経て、2018年4月NPO法人「みんなのコード」に入社。61歳で新入社員となる。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向け、指導教員を養成すべく、全国を東奔西走中

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