ちょうちんを掲げる天皇、皇后両陛下(c)朝日新聞社
ちょうちんを掲げる天皇、皇后両陛下(c)朝日新聞社
会場をあとにする両陛下に万歳三唱する来場者たち(c)朝日新聞社
会場をあとにする両陛下に万歳三唱する来場者たち(c)朝日新聞社

 天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」が9日、皇居前広場で開かれ、招待客を含めた約3万人(主催者発表)が集まった。天皇皇后両陛下が姿を見せると、集まった人々は提灯に点灯し、日の丸の小旗を振って祝福した。奉祝曲「Ray of Water」が披露されると、皇后雅子さまが涙をぬぐう場面もあった。

【写真】音頭に合わせて万歳三唱を続ける人々

 厳かでありながら、温かな感動をもたらした国民祭典だったが、多くの人が違和感を抱いた場面もあった。当日、自宅でテレビを見ていたという20代女性は言う。

「ぼーっとテレビを眺めていたら、いきなり万歳三唱が何度も流れて、思わずチャンネルを変えました」

 会場で配られた祝賀式典プログラムでは、「天皇陛下のお言葉」の後に、伊吹文明・奉祝国会議員連盟会長による「万歳三唱」と記されていた。予定通り、伊吹会長は力強く万歳三唱を指揮し、安倍晋三首相やステージ上の人々もこれに続いた。

 司会の谷原章介さんが伊吹会長に「ありがとうございました。聖寿(せいじゅ)万歳を、伊吹文明奉祝国会議員連盟会長より申し上げました」と述べた直後、再び男性の声で「天皇陛下 万歳」の声が響いたのだ。さらには、「皇后陛下 万歳」、「天皇皇后両陛下 万歳」と豊富なバリエーションに、思わず苦笑する人も。だが、会場の人々も再び万歳三唱を続け、陛下と雅子さまも提灯を掲げて呼応した。

 その後現場が静まると、谷原さんが両陛下の退出をアナウンス。だが、またもや先の声で「万歳三唱」が始まったのだ。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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万歳三唱への違和感