実はこのように、結構獲れるのに一般に流通せず、地元でのみ食べられているだけという魚は非常に多くあります。例えば、マトウダイの仲間のカガミダイという魚もその一つです。

 その名の通り、体表が銀色に輝き、鏡のように見えることからこの名前がついた魚です。この魚も、定置網や底引き網などで結構獲れるんですが、この魚の問題は、加工が非常に難しいこと。その身は、非常に上質な白身かつトロ並みに脂が乗っていてとても美味しいのですが、体の形や構造が特徴的で、加工が難しく、なかなか商業的に流通させることが難しいんです。ただカガミダイについても、くら寿司の各方面の専門家が「このおいしい魚をぜひお客様にも味わっていただきたい」と知恵を絞っています。

 くら寿司では、これまでにシイラやボラなど、それまで一般的にはあまり食べられていなかった魚を、ひと手間、ふた手間かけることで、おいしいお寿司として提供しています。これらの魚についても、近い将来、皆さんに新メニューとしてお届けすることができる日が来ると思っています。ぜひその日を楽しみにしていてください。

AERAオンライン限定記事

◯岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら