数年前まで、エンジニアの就職先はITベンチャー企業や、システム開発会社がメインでしたが、最近はソフトウェアの領域に進出している自動車や電気機器などの大手製造業のほか、これまでエンジニアの就職先としてなじみのなかったマスコミ系、介護や農業分野などでも積極的に採用しており、その需要は今後も伸びていくことが予想されます。(楓さん)

3.地域や学校によってプログラミング教育に温度差 解決のカギは保護者にあり

 プログラミング教育の実施に向けて全国の小学校を視察していると、地域や学校間で取り組みにおける温度差があると感じます。学校のICT(情報通信技術)機器の整備も大きな課題になっていますが、プログラミング教育は、ないと熱中症になる危険性が高まるエアコンの設置や壊れやすいブロック塀の撤去などと違い、緊急性があるものではないため、学校や教育委員会によってはまだ意識が薄いところがあるのが現状です。各自治体でプログラミング教育のモデル授業プランは用意されているものの、自治体によってレベル差があるうえ、最終的な実施においては各学校の判断に委ねられるため、格差は実際に出てきてしまうと思います。

 お子さんが通っている学校の取り組みが遅れていると感じたら、直接先生に状況をお伺いするのもよいですし、PTA経由で「プログラミング教育を充実させてほしい」「しっかり取り組んでほしい」などの意見や要望を伝えるのも少なからず効果はあると思います。すぐに変化が出ることはないかもしれませんが、保護者の声が大きくなることで学校や教育委員会も積極的に動いてくれるでしょう。(利根川さん)

(取材・文/高橋亜矢子)

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高橋亜矢子
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