子どもに算数好きになってもらいたい!と思っている親御さんは多いはず。でもどうアプローチしたらよいのか迷ってしまうことも。そこで、AERA with Kids編集部では、「数学のお兄さん」として幅広い活動をしている横山明日希先生に、親向けの算数セミナーを開いてもらいました。今回はその様子の一部を紹介します。

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 今回の算数セミナーに参加していただいたのは、小学生のお子さんを持つお母さん11名、お父さん1名の計12名。みなさん、「子どもにもっと算数好きになってほしい」と意欲満々です。自己紹介が終わったあと、横山先生は参加者にこの質問をしました。

「皆さんご自身は算数が好きですか?」

 手を挙げた方もいましたが、手を挙げずに苦笑いする参加者も。

 横山先生が自分たちで調査した算数に関するアンケート(大人460名を対象)で、「算数が好き」と答えた人に「算数が好きになった時期」を聞いてみると、「小学校入る前から好きだった」と答えた人が14%、「小学校で好きになった」と答えた人が46%いました。つまり、60%の人は中学校入学以前に算数が好きになったと答えています。さらに、「何がきっかけで好きになりましたか?」という問いには、「気がついたら」という答えが圧倒的に多く、「学校の授業」、「本やテレビ番組」、「塾の授業」などの答えもありました。

 つまり、子どもを算数好きにさせるためには、「幼児期や小学生時代」に「知らず知らずのうちに」算数が好きになってしまう体験をさせることがコツのよう。また、人によってきっかけがバラバラということは、さまざまな機会をつくることも大切とのこと。

「私自身、小学生のうちから算数が大好きでした。振り返ってみると、家の中には積み木やパズルなどのおもちゃがたくさんありました。それらで遊んでいるうちに学校の算数も得意になっていたんです。つまり、算数センスをつけるためには、できるだけ多くの時間、日常、非日常にかかわらず、算数や数学の素材に触れられる機会を作ることが大事だと思います。必ずしも親御さんが関わらなくても、おもちゃ、本、動画などを用意すれば子どもは勝手に触れるでしょう。もちろん時間があれば、科学館に行くことや、塾などがやっている算数講座に参加してみるのもいいですね」(横山先生)。

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AERA編集部
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