ウンログ代表取締役 田口たかしさん(35)/「腸内環境は誰一人として同じではない。ウンログのミッションは、すべてのうんちする人をすっきりさせること」。YouTubeチャンネル「ウンTube」も運営(撮影/写真部・掛祥葉子)
ウンログ代表取締役 田口たかしさん(35)/「腸内環境は誰一人として同じではない。ウンログのミッションは、すべてのうんちする人をすっきりさせること」。YouTubeチャンネル「ウンTube」も運営(撮影/写真部・掛祥葉子)
AuB代表取締役 鈴木啓太さん(38)/高校卒業後、16年間浦和レッズで活躍。「スポーツ界に必要なのはビジネス」。アスリートの課題に腸からアプローチする(撮影/写真部・掛祥葉子)
AuB代表取締役 鈴木啓太さん(38)/高校卒業後、16年間浦和レッズで活躍。「スポーツ界に必要なのはビジネス」。アスリートの課題に腸からアプローチする(撮影/写真部・掛祥葉子)

 腸内環境は便に顕著にあらわれる。 便からわかることは、実は驚くほど多い。熱い視線を送る人々がいる。AERA 2019年10月28日号から。

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ころころ、かちかち、ぶりぶり、ほそほそ、ふわふわ、どろどろ、びちびち。

何のオノマトペか?

 便の形状を表したものだ。

 形状と色、量やにおいを選択し記録が終わると、100点満点で点数が表示され、かわいいキャラクターが現れて声をかけてくれる。

「出してくれてありがとう!」

 60万ダウンロードを突破したこのアプリ、その名もウンログという。うんちの記録をつけるためのものだ。

 ウンログ代表取締役の田口たかしさん(35)がアプリをリリースしたのは2012年7月。開発のきっかけは自身の体験だ。

 長年、便秘と下痢を繰り返し、花粉症やじんましんに悩まされてきた。腸活で免疫力が上がると聞いて体質改善を決意。食物繊維やヨーグルトを継続してとったり、マラソンを始めたり。食事、休息、運動、すべては腸のため。さらに、効果を見るために欠かさなかったのが便のチェックだ。

「腸内環境って、おなかを切って中を見ることはできませんが、今日やったことの効果は明日のうんちに出るんです。腸活が自分に合ったものなのか、確認しながら続けました」

 2年ほどかけて、花粉症は改善。内服薬、点鼻薬、目薬のフルセットを使っていたが、いまではマスクなしでも平気になった。

 腸活をはかどらせるツールがあったら役に立つと思い、ウンログの開発に着手した。

「秘め事なので、みなさん人には言いませんが、手帳に書いたりしてる人はいるんですね。今日は出た、出なかった、下剤を何錠飲んだとか。リリースしたら、そういう人たちがウンログにドドドと入ってきました」

 便を記録することに、どんなメリットが?と思うだろうか。

 ウンログのデータによれば、2週間記録を続けると、結果的に91.3%の人の便が改善するという。

 便の形状にはブリストルスケールという国際基準があり、水分量によって1から7まで分類されている。冒頭のオノマトペはこの7タイプを表したものだ。

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