「玄米は、『ガンマ・オリザノール』という米由来の脂分を含みます。ガンマ・オリザノールは高脂肪食への欲求を減らす効果があることがわかっています」(江田医師)

 玄米を食べていると、食の好みがいつの間にかやせ嗜好になるのだという。

 お酒好きの人も多いだろうが、発酵させてつくるビールは腸にプラスに働くのだろうか。

「ビールは腸内環境的にはいいです。ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒、ワインやシャンパン、お米を発酵してつくった日本酒も、飲みすぎなければ問題はありません」(同)

 では、存分に飲んでもそれほど大きな問題はない?

「いいえ。アルコールは腸管を刺激するので、1~2杯までにしておいたほうが無難です」

 腸からすっきりやせるためには、残念ながら「おやつ」はおすすめできない。

「人間の腸は、眠っている間や何も食べていないときに、食後の『ぜん動運動』よりも大きな運動をしています。さざ波が伝わるように、食べものの残りかすを押し出す『お掃除運動』です。ただ、このお掃除運動は、何か食べると止まり、ぜん動運動に戻ってしまう。腸をきれいに保つには、ちゃんと空腹の時間を作り、むやみやたらと『間食をしない』ことが大切です」

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2019年10月28日号

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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