さりげないサポートをしながら着替えを上達させることが大事だ(写真:gettyimages)
さりげないサポートをしながら着替えを上達させることが大事だ(写真:gettyimages)

 1歳を過ぎると、赤ちゃんの興味関心がますます増え、できることも増えてきます。その中のひとつに「着替え」があります。例えばズボンを履くときに、足を浮かせてズボンを履きやすくしてくれたり、着替えに協力してくれる。そんな様子が見られたら「おお!そろそろ着替えの練習スタートだな」と思える目安です。着替えは、ある日突然できるようになりませんので、ステップを踏むことが大切。今回は、実際に保育所でしている、着替えのステップアップ方法についてです。

●遊ぶつもりで着替えてみよう

 大人は着替えることをいとも簡単に行っています。着替えることは、毎日の生活の一部ですので、パジャマから服に着替えるのは、数十秒で終了するでしょう。しかし、赤ちゃんはそうではありません。生まれたての時は、100%大人にやってもらわなければ着替えることができません。そこから、徐々に脚を上げてくれたり、袖に腕を通すときに伸ばしてくれたり協力してくれるようになります。ひとりで着替えをする練習は1歳ごろに簡単なことからスタートし、2~3歳ごろに完成するというつもりで気長に取り組みます。

 ひとりで着替えができるようになるには、まずは「着替えも遊び」と思うことです。大人にとっては、着替えは次の場面に切り替える時の行為で、「時間をかけずにすること」ですが、赤ちゃんはそうはいきません。まずは、赤ちゃん目線になることがポイントです。保育所では、1歳~1歳半頃になると、ひとりで着替えの練習を始めるのですが、子どもたちの様子を見ていると、「自分でしてみたい!」着替えに関心が強い子と「先生に丸投げ」の関心が薄い子がいます。関心があるないに優劣があるわけではないのでご心配なく。

 着替えに関心が強い子は、あとでお話するステップアップ法を踏んでいきますが、関心の薄い子は、興味を持ってもらうことからスタートです。着替えるときに、「は~い。顔が出てくるよ~。いないいないばあ!」「靴下脱ぐよ。スポーン。わあ、足が出てきたね」など赤ちゃんが着替えに関心を向けるよう、声掛けをして遊んでみましょう。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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