「これらの症状は“スマホ老眼”と呼ばれていますが、学童期に多い仮性近視と同じ状態です」

 どちらも問題はピント調節機能にある。スマホの使い過ぎで手元が見えづらくなる人は、遠くの文字も見えづらくなるケースが多いという。

「目に悪い習慣をやめれば調節力が回復しますが、それができる人は少ない。ほとんどの人が、そのまま調節力が低下していきます」(矢島医師)

 スマホが原因とわかっていても、キッパリやめられる人は少ないだろう。これ以上の進行を食い止めるためには、以下の点に気を付けるとよいという。

●スマホよりも、パソコンやタブレットなど画面の大きい機器を使う
●文字は大きめに設定する
●画面と目の距離を40センチ以上離す。少し下を向くくらいの角度のほうが目が乾燥しにくい
●夜間はブルーライトの量を減らす設定にする
●40度前後のホットタオルで目を温め、血行をよくして毛様体筋のコリをほぐす
●スマホやパソコン作業を連続で続けず、30分に1度は途中で景色などを見る時間を作り、毛様体筋をリラックスさせる

(ライター・谷わこ)

AERA 2019年10月21日号より抜粋