小さな植物学者が挑む葉っぱの「同定作業」 最後に残った謎の1枚の正体は

連載「探究堂日記」

山田洋文AERA#AERAオンライン限定
上の左側にあるのが、最後まで謎だった細長い葉っぱ
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上の左側にあるのが、最後まで謎だった...

 自分たちで拾ってきた葉っぱと樹木図鑑を、教室で見比べる探究堂キッズ。たくらみ低学年(小学1・2年生)クラスは、植物の種類を調べる「同定作業」の真っ最中です。

「これは絶対にクヌギやわ。(葉縁の)ギザギザな感じがそっくりやもん」

「(葉先の)とんがり具合がシラカシっぽいねんなあ」

「うーーーん、似てる葉っぱがいくつもあって難しい……」

 樹木の同定は図鑑に載っている検索表をもとに行います。

 葉っぱの幅の広さや切れ込みの有無、縁の様子や色・厚さを手がかりに、まずは一覧ページでよく似た葉を探します。

 そして、それぞれの葉っぱの特徴を紹介した解説ページを参照し、間違いないか確かめるのです。

「イチョウって他の葉っぱと全然形が違うよね。めっちゃわかりやすい」

「このマツは先っぽを触ると痛いから、多分クロマツやと思う」

 葉っぱの中にはひと目見て樹木の種類を判別できるものもありました。普段からなじみ深いイチョウやマツはその代表格です。

 ただ、それらはあくまで少数派で、ほとんどの葉っぱは図鑑とにらめっこしながら調べる必要がありました。

 子どもたちは葉っぱの採集と同定を繰り返すなかで、検索表の見方に慣れて、次第に精度を高めていきます。その姿はさながら小さな植物博士のようです。

 ある日の授業のこと。

「文さん、この細長い葉っぱは図鑑に載ってへんみたい」

 それは葉長が30センチ近くあり、非常に特徴的な形をした細長い葉っぱです。

 樹木図鑑の一覧ページには似たような葉っぱが全く見当たりません。

【謎の細長い葉っぱの写真はこちら】

 今回のプロジェクトで参考書籍として使用していた図鑑は初心者向きで、街路樹や公園などでよく見かけるものが中心となっていました。

 そのため調査を進めていくと、明らかに図鑑に掲載されていないケースも出てきました。

 どうしても葉っぱの正体が気になったので、私は家に持ち帰り、さらに詳しい図鑑で調べることにしました。

 参考書籍に比べて掲載されている葉っぱの数が2倍以上あるので、これは大丈夫だろうと高をくくっていたように思います。

 しかし、見落としがないように最初から最後まで何度見ても、やはり該当するものを見つけることができません。

 他の本も駆使しましたが結局わからず、そうこうしているうちに一週間が経ってしまいました。

(この葉っぱを特定するのは、今の我々にはちょっと厳しいかな……)

 半ば諦めかけていたところ、偶然にも私は調査に役立ちそうな情報を入手することになります。

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謎の葉っぱを同定する最後の手段とは?

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