AERA 2019年10月7日売り表紙に俳優・中川大志さんが登場
AERA 2019年10月7日売り表紙に俳優・中川大志さんが登場

 ドラマ「G線上のあなたと私」(10月15日スタート)に出演する俳優、中川大志さんがAERAに登場。演じることにかける想いを語った。AERA 2019年10月14日号から。

*  *  *

 前週に梅雨が明けた8月初旬。強い日差しで気温は35度近くまで上がり、入道雲が立ち上る夏空の下での撮影だった。

 10月発売号の表紙のため、セーターにジャケットといういでたちでの撮影となったが、中川大志の額には汗一つにじまない。首の傾け方、まぶたの伏せ方、指の絡ませ方。一つ一つの所作がはっとするほど美しく、無駄がない。

「どう見えるかは常に意識しています」と本人も言う。小学5年生でデビューし、テレビや映画、CMなど出演作を重ねるうち、自然と自分を俯瞰で見る目が養われたのだという。

 一方、芝居のことになると実に熱っぽく、よくしゃべる。なかでも、コントや笑いの演技に話題が及ぶと、少年のように瞳が輝いた。ドラマ「G線上のあなたと私」も、濃密な人間ドラマと思いきや「偏差値の高い笑いが込められている」という。

「面白くなるかつまらなくなるか、役者にかかっている脚本ですね。どれだけ真剣に、まじめにふざけられるかが勝負です。まだ撮影が始まって数日ですが、めちゃくちゃ楽しいです!」

 表紙の撮影現場では、初対面だというフォトグラファーの蜷川実花にも「実は昨年、ニューヨークの空港でたまたまお見かけして……」と臆せず話しかけ、談笑する。インタビュー中も、食い入るようにじっとこちらの目を見つめ、会話に集中する姿が印象的だった。

「家族や友人もそうですが、できるだけ別の職業の人と会って話すのを大事にしています。すごく面白いですし、自分らしくいられます」

 他人や自分自身に対するまっすぐな好奇心が知性となり、いっそう輝きを増している。

(ライター・市岡ひかり

AERA 2019年10月14日号