「宿題の問題が多すぎて手が回らないなら、難しすぎる問題や、きわめて平易な問題などには手を出さない、と決めることで、数を減らしてください」と矢野先生。

 また、子どもの得意・不得意にかかわらず、宿題の時間を十分確保すべきは「算数」で、これは中学受験の鉄則です。習い事などで家庭学習の時間があまりとれないなら、優先順位は算数→理科・社会→国語にして、それぞれの学習時間をうまく調整しましょう。

<その3> 親はポジティブな声掛けを心がける

 子どもの成績が急降下したときに心中穏やかでいられる親なんて、まずいません。子どもが心配だからこそ、不安や不満が大きくなって、つい、感情的なきつい叱りの言葉やネガティブな愚痴を子どもに向けてしまうのです。

 あまりに不安なときは「子どもにあたるのではなく、塾の先生に相談するなど、第三者の意見を求めるほうがいい」と矢野先生。具体的なアドバイスがもらえれば、安心できて、子どもにも穏やかな態度をとれるでしょう。

 この時期に、親が言ってはいけないNGワードは、

「もう、塾(受験)やめたら?」
「こんな問題も解けないの?」

 などです。子どもの奮起を期待するからこその言葉かもしれませんが、逆効果だということを、つねに意識しておくといいですね。反対におススメの声掛けは、

「今日の授業、何がおもしろかった?」
「絶対に挽回できるよ」
「塾の先生なんて言ってた?」
「がんばってるんだね」

 などです。

 ぜひ、親子で相談をしながら学習サイクルと、気持ちのコンディションを整えるよう心掛けてみてください。(取材・文/船木麻里)

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安浪京子,高濱正伸,tomekko

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AERA編集部
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