1989年4月、日本初の消費税3%導入時は全国各地の商店街で反対の声が。断行した竹下登首相はリクルート事件もあり2カ月後の6月に退陣 (c)朝日新聞社
1989年4月、日本初の消費税3%導入時は全国各地の商店街で反対の声が。断行した竹下登首相はリクルート事件もあり2カ月後の6月に退陣 (c)朝日新聞社
店内と持ち帰りで代金は…?(AERA 2019年10月7日号より)
店内と持ち帰りで代金は…?(AERA 2019年10月7日号より)

 10月から消費税が10%に引き上げられた。軽減税率が導入されるが、その対象はどんなものなのか、軽減税率を適用させるためにレジで嘘をついたら罪になるのかなど、消費増税にまつわる疑問に回答する。AERA 2019年10月7日号に掲載された記事を紹介する。

【図を見る】店内と持ち帰りで代金はどうなる?

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Q1:軽減税率の対象は
税率8%で買えるのはどんなもの

 軽減税率の対象になるのは食品や飲料品。肉や魚、野菜などの生鮮食品に加え、飲食店のテイクアウトや宅配・出前も税率8%で据え置かれる。コーヒーなどの嗜好品も、テイクアウトなら軽減税率の対象だ。ただし、同じ嗜好品でも酒類は対象外。近年伸びているケータリング(料理だけでなく調理人や道具も一緒に届く)にも税率10%が課される。

 国税庁のホームページでは、飲食料品を「人の飲用または食用に供されるもの」と定義している。同じかつお節でも人間用は8%、ペットフードコーナーでのおやつ用として売られていれば税率10%だにゃ。

 新聞も文化を守る観点から軽減税率の対象。一般紙もスポーツ紙も、週2回以上の定期購読契約が軽減税率適用の条件だ。このため、駅売店やコンビニの1部売りには適用されない。書籍・雑誌、新聞や動画などのデジタル著作物も対象外だ。

Q2:大手チェーンの対応
イートインと持ち帰りがある店は

 店内飲食と持ち帰りが選べるお店での支払いはどうなるのか。大きく分けると、(1)店内と持ち帰りで税込み価格をそろえる、(2)本体価格を表示して店内なら10%、持ち帰りなら8%を上乗せする、(3)店内メニューは税抜き、宅配は税込みなど表示を変える──の3パターンの対応があるようだ。

 日本マクドナルドは、店内でも持ち帰りでも税込み価格を同じにする。どちらの場合も、メニュー表にある税込み価格を支払えばよい。レシートには店内飲食なら税率10%、持ち帰りなら8%と記載されるが、元の本体価格を変えることで、客が支払う価格は同じになる仕組みだ。といっても、増税分をお店が負担してくれるわけではなく、単品のハンバーガーやポテトなど3割の商品で本体価格を10円値上げし、逆に約7割の商品は数円程度引き下げる。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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