竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
「SAND FULL フルーツ」(左)と「もちプリッ!リガトーニ アラビアータ」も「ワクワク」を目指して新たに開発した商品です
「SAND FULL フルーツ」(左)と「もちプリッ!リガトーニ アラビアータ」も「ワクワク」を目指して新たに開発した商品です

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】ローソン新商品はこちら

*  *  *

 消費増税に伴い、各社がさまざまなポイント制度を打ち出しています。今回は政府も一体となって消費を盛り上げようと、経済産業省からはコンビニでのキャッシュレス決済時に2%を還元するという施策が講じられています。ローソンでは、原則、キャッシュレス決済なら会計時にその場で2%還元し、加えて独自の施策も実施します。

 ローソン銀行のクレジットカード「ローソンPontaプラス」でお買い物をしていただくと、100円(税抜き)ごとに4ポイントを還元するというものです。

 一方で、店舗にとっては決済手数料が重荷になっている現状があります。お客さまだけでなく、加盟店にも負荷をかけず経営していけるようにするのが本部の役割です。そこで、今回ローソンでPontaプラスを使って決済した際の手数料相当を本部がサポートする仕組みを作りました。少しでも店舗の負担を減らせればと思っています。

 そしてもう一つ、お総菜やサンドイッチ、スイーツなどの「中食」の強化も始めました。増税を機に節約志向が高まるのは予想されること。お客さまの中には外食を控えようという方もいらっしゃるかもしれません。そんなときに選択肢の一つになればと、お酒のあてになったり、少しお得な気分を味わえたりする商品を開発しました。

 コンビニは日々の生活に密着した存在です。増税の有る無しにかかわらず、何げなく手に取った商品にワクワクを感じて、「食べたい」「使いたい」と思っていただけるラインアップをそろえなければ、いくらポイント還元をうたってもお客さまの心は動きません。

 10月1日を境にお客さまの心理状況やニーズにも変化が生まれるでしょう。そこにしっかり寄り添い、気軽にお買い求めいただける商品やプロモーションを仕掛けていきたいと考えています。

AERA 2019年10月7日号

著者プロフィールを見る
竹増貞信

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

竹増貞信の記事一覧はこちら