今回、乗り換えで利用した浜松町駅だが、実はJR改札を出て外に出ようとするときにエレベーターがない。都営大江戸線・浅草線に乗り換える北口は階段のみで、南口はエスカレーターと階段だ。以前は東京モノレール側のJR改札を出ると、駅に隣接する商業ビル「モノレ」のエレベーターが利用できたが、18年にJRとモノレールの専用改札ができ、エレベーター側に出られなくなった。記者が後日、浜松町駅で駅員に車いす利用者が駅の外に出る方法を聞くと、「モノレールの職員に頼んで、モノレール側の改札を通らせてもらってください」と言われた。

 上原さんは言う。

「他の駅もそうですが、鉄道会社が自分たちでエレベーターを設置せず、駅ビルに頼るからこうなる。ターミナルビルには特に責任を持ってバリアフリーを進めてほしい」

 新宿駅に到着すると、ホームには警備会社の制服を着た男性がスロープを手に待っていた。電車を降りた後、京王線へ乗り換えたい旨を伝えるとそのまま案内してくれる。

 まず山手線ホームからエレベーターで上の南口改札階へ。改札を出るのかと思いきや、今度は7、8番線のホームに降りるエレベーターで地下1階の東口、西口を結ぶ改札階へ。上がったり下がったり、どこへ向かっているのか。しばらく歩くと西口改札が見えた。改札まで来ると警備員は「ではお気をつけて」と笑顔で去っていった。

 一瞬ポカンとする私たち。

「改札内しか責任ないんですね」と苦笑いする上原さんの言葉に、羽田空港の案内所でのやりとりを思い出した。それぞれ管轄内しか対応しないため、利用客が置いてけぼりになってしまうこともありえる。

 辺りを見渡し、「京王線」の表示を探しながら進むと、幅広い階段があった。右端にスロープがあってひと安心。結局、新宿駅でのJRから京王線への乗り換えに26分もかかった。

 京王線の改札では、飛田給駅まで特急と各駅停車どちらに乗るか尋ねられた。駅員の負担を考慮して乗り換えなしの鈍行を選んだが、改札内で迎えに来た駅員は「こちらのほうがだいぶ(時間的に)早いですよ」と、特急へ案内。さらに「ご希望の号車はありますか」と丁寧に聞いてくれる。特にないと伝えると、「おもいやりぞーん」と書かれた乗車口に案内してくれた。

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