有力な感染予防策は「ワクチン」だ。ワクチンが最も効果的とされている接種時期は、性交渉を始める前の10~14歳。ワクチンの効果は高く、接種により94%の感染を予防したという報告がある。また、25歳ぐらいまでの接種でも、ある程度の効果が期待できるとされる。世界保健機関(WHO)ではワクチン接種を推奨しているが、日本では接種後の運動障害といった多様な症状が報告され、13年6月から積極的勧奨が中止されている。今も、副反応かどうか結論が得られておらず、接種の判断は個人に任されている状況だ。前出の井上医師は言う。

「正確な情報を集めたうえで判断することが大事。また、20歳からは、がんを早期に拾い上げることができる『子宮頸がん検診』が欠かせません。さらに、感染以外のリスク要因として知られている喫煙をしないといった努力も必要でしょう」 

(ライター・谷わこ)

AERA 2019年9月23日号