続いて第3次ブームだ。夏が終わるころになると、毎年「終焉」が噂されるが、インスタ映えの後押しもあって、意外なことに年を追うごとにブームは拡大しているようにも見える。

 終わらないブームの理由を、梅村さんはこう見ている。まずひとつは、メニューのバリエーションが拡大したことだ。

「今は茶葉の種類だけ取っても、アッサム、アールグレイなどたくさんの種類を揃えている店が少なくないですね。さらに抹茶やほうじ茶など、和の茶葉などが加わるなど、年々種類が増えています」(梅村さん)

 例えば今年の人気は、タピオカを黒糖で煮込み、ほんのりと甘さをつけた黒糖タピオカ。黒糖タピオカだけの専門店も登場したという。また材料のタピオカも、乾燥タピオカや半乾燥タピオカ、生タピオカなどのバリエーションが。それぞれ食感が微妙に異なるという。そうしてつぎつぎ新しい味わいを試してみたくなることも、ブーム続行のポイントになっているらしい。

「もうひとつ、今のところタピオカ専門店が、東京や大阪などの大都市に集中していることも大きいと思います。専門店の少ない地方都市で、コーヒーショップのドトールがタピオカミルクティーを発売したところ、行列ができたと聞きました。つまり地方のタピオカブームはこれからが本番、ということでしょう」(梅村さん)

 と、このへんで、タピオカ飲み倒しルポに話を戻そう。新宿西口で、口の中に入ってしまったタピオカパールを、舌で数えているライターのフクミツさーん?

 はい、フクミツです。一説には豚骨ラーメン級のカロリーと言われるタピオカミルクティーを3杯完食して、初日こそ、おなかが苦しくて寝込んだが、4杯目からは味や食感のバリエーションを楽しむ余裕も出てきた。

 そうしてあらためて驚いたのは、こんなに店があるのに、お茶もタピオカも店ごとにキャラがまったく違うということ。前出の梅村さんのように、「半生のタピオカを使う店の、ムチムチしたタピオカの弾力を重視する」という、タピオカこだわり派もいれば、「高い香りとさっぱりした甘さで、タピオカのおいしさを120%引き出すミルクティーのほうを重視」するという声もあった。

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