九州北部豪雨の被災地で、手を添えながら言葉をかける雅子さま。那須のときより、お団子の位置が低い/2018年9月26日、福岡県朝倉市で (c)朝日新聞社
九州北部豪雨の被災地で、手を添えながら言葉をかける雅子さま。那須のときより、お団子の位置が低い/2018年9月26日、福岡県朝倉市で (c)朝日新聞社
JR那須塩原駅で笑顔を見せる雅子さまと愛子さま。雅子さまのお団子は愛子さまよりやや低めだ/8月19日、栃木県那須塩原市で (c)朝日新聞社
JR那須塩原駅で笑顔を見せる雅子さまと愛子さま。雅子さまのお団子は愛子さまよりやや低めだ/8月19日、栃木県那須塩原市で (c)朝日新聞社
雅子さまの腕を取り、会場に紹介する美智子さま。襟足の小さなお団子は定番だ/18年5月16日、東京都渋谷区で (c)朝日新聞社
雅子さまの腕を取り、会場に紹介する美智子さま。襟足の小さなお団子は定番だ/18年5月16日、東京都渋谷区で (c)朝日新聞社

 令和初の夏が終わろうとしている。天皇陛下と公務に邁進した皇后雅子さま。夏休みに見せたリラックスした姿に、雅子さまの「今」を二つ見た。AERA 2019年9月23日号に掲載された記事を紹介する。

【愛子さまのお団子ヘアの写真はこちら】

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 雅子さま(55)は、お団子ヘアなんだ。

 そう実感したのは8月19日、天皇ご一家が栃木の那須御用邸で過ごす夏休みを伝える映像がテレビで流れた時だった。

 映像は、JR那須塩原駅への到着時から始まった。陛下(59)は半袖シャツ、雅子さまは水色のジャケットに白のパンツ、愛子さま(17)は緑と白を基調としたストライプの半袖ワンピース。涼しげな服装だった。

 駅頭で待ち受けていた人々と懇談するご一家が映る中、雅子さまと愛子さまの横顔がちょうど並ぶ瞬間があった。愛子さまは高い位置で髪をまとめていて、前に一筋長い髪を残すスタイリングと合わせ、今どきの女の子らしい様子だった。

 お隣の雅子さまに目を転じると、襟足より高めの位置で髪をまとめていた。ああ雅子さまも、お団子ヘアなんだ。その時に気づいた。そして愛子さまほどではないけれど、やはり今どきのお団子だなーと思い、軽やかな気分になった。

 このところ、と言ってももう数年来になると思うが、街でも職場でも、お団子ヘアの女性を見かけることが増えた。ファッションの専門家では全くないが、最近のお団子のトレンドは「ふんわり」「高め」だと思う。

「引っ詰め」という言葉を辞書で引いたら、「後ろに無造作にたばね結わえた、女性の髪形」とあった。それで言うなら、最近のお団子ヘアは引っ詰めではない。無造作でなく、工夫がある。例えばお笑いコンビ「アジアン」の馬場園梓さん。いつも頭のてっぺんで可愛くお団子を作っている。

 皇室でまとめ髪といえば、上皇后美智子さま(84)の定番だ。

 皇太子妃時代の美智子さまは、さまざまな髪形だった。それが試行錯誤だとするなら、最適と判断したのが「まとめ髪にお皿形の帽子」だったのだろう。平成以後、すっかり定番になった。襟足の下の小さなお団子は、和装でも洋装でも、オンでもオフでも、変わらなかった。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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