「大臣就任は日本の教育にとってあまりいいことではないと思います。萩生田氏は一人一人の人間の尊厳や自由を大切にするよりも、国家の方が大事だと考えるタイプの人。議員会館の事務所には教育勅語の掛け軸が飾られていました」

 1億総活躍担当相の衛藤晟一氏(71)も安倍首相の側近として知られる。安倍首相が特別顧問を務め、憲法改正などをめざしている日本会議国会議員懇談会の中心的なメンバーだ。14年には安倍首相の靖国参拝に対して米国が「失望」を表明したことに「我々の方が失望だ」と批判。後に発言を撤回した。

 言葉の軽さが気になるのは科学技術相の竹本直一氏(78)だ。17年11月にあった、大相撲の振興発展をめざす議員連盟の会合でこんな発言をしてしまった。

「(力士は)体がでかいから、別のことはあんまりできない」

 横綱だった日馬富士による暴行問題を受けて開いた緊急総会での発言だった。議連の会長を務めるほどだから大相撲や力士が好きなのだろうが、あまりな言いようだろう。

 五輪担当相となった橋本聖子氏(54)も、自分のフィールド内で不用意な発言があった。

 白血病を公表した競泳女子の池江璃花子選手に関して、「オリンピックの神様が池江璃花子の体を使って、オリンピック、パラリンピックというものをもっと大きな視点で考えなさい、と言ってきたのかな」と発言。「自分の持論のために池江選手の病気を使わないで」などと批判を浴びた。

 池江選手をめぐっては桜田義孝五輪相(当時)の「がっかりしている」発言の印象が強烈だが、元五輪選手で選手の立場を代弁するべき橋本氏だけに、この発言のがっかり感は大きい。

 軽はずみな発言といえば、経済産業相の菅原一秀氏(57)。閣僚人事が公表される前の11日朝、街頭演説で喜々として「経産相になる」と報告してみせた。「大臣の椅子」の価値暴落を象徴するような、言葉の軽さだ。(編集部・小田健司)

AERA 2019年9月23日号より抜粋