撮影のため漁師に弟子入り? 写真家・西野嘉憲が「もうダメかも」と覚悟した瞬間 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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撮影のため漁師に弟子入り? 写真家・西野嘉憲が「もうダメかも」と覚悟した瞬間

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西野嘉憲(にしの・よしのり)/写真家。1969年、大阪府生まれ。早稲田大学を卒業後、広告制作会社勤務を経て独立。漁業や狩猟など人と自然の関わりを主なテーマに撮り続ける。9月11日までキヤノンギャラリー大阪・中之島で写真展「海人三郎」を開催(最終日は15時まで)(撮影/今村拓馬)

西野嘉憲(にしの・よしのり)/写真家。1969年、大阪府生まれ。早稲田大学を卒業後、広告制作会社勤務を経て独立。漁業や狩猟など人と自然の関わりを主なテーマに撮り続ける。9月11日までキヤノンギャラリー大阪・中之島で写真展「海人三郎」を開催(最終日は15時まで)(撮影/今村拓馬)

「海人は生態系の中で生きている。自然を読む力を持ち、触った砂の温度で魚がどこにいるかがわかる人もいた。私たちが失ってしまった本能的な感覚を持ち続ける彼らに、人間が持つ根源的な生命力や英知を再確認できました」

 口承で伝えられてきた伝統漁を漁師以外の人が目にする機会はほとんどなく、貴重な記録集だ。この20年で廃れてしまった伝統漁や、名人が亡くなり縮小した漁もある。尖閣諸島での潜水漁は国境問題化した現在はできなくなり、もう二度と見られないかもしれない。価値ある一冊だ。(編集部・深澤友紀)

■Pebbles Booksの久禮亮太さんのオススメの一冊

『チョンキンマンションのボスは知っているアングラ経済の人類学』は、タンザニア商人の「その日暮らし」の流儀について描いた一冊だ。Pebbles Booksの久禮亮太さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

*  *  *
 本書は、香港で生きるタンザニア商人たちの痛快なずる賢さと、気負いのない愛他精神と「その日暮らし」の流儀を生き生きと描く。

 彼らは安宿のひしめく重慶大厦(チョンキンマンション)を根城に、SNSを駆使し中古車や携帯電話などを扱うブローカー。本書は彼らとそのボス、カラマの人間的魅力溢れるエピソードを織り合わせ、人間中心の経済、自由な社会の未来像をのぞかせる。

「誰も信頼しないが、場合によっては誰でも信頼する」のが彼らのスタイル。一方で「私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる」と、親切の連鎖をつないでいく。彼らはUberやAirbnbといったシェア経済にも似たビジネスを展開する。しかし人間の信用を格付けし、効率を追求するシェア経済よりも、技術と経済をしたたかに利用していい加減に生きる彼らのほうが、幸福な未来を感じさせる。

AERA 2019年9月16日号


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