日韓対立は回り回って米国の痛手? 「最悪の事態になる」との声も (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

日韓対立は回り回って米国の痛手? 「最悪の事態になる」との声も

このエントリーをはてなブックマークに追加
津山恵子AERA#ドナルド・トランプ
ホワイトハウスで記者団からの質問に答えるトランプ大統領。日韓問題については、積極的な発言をしていない (c)朝日新聞社

ホワイトハウスで記者団からの質問に答えるトランプ大統領。日韓問題については、積極的な発言をしていない (c)朝日新聞社

 さらに韓国政府が協定破棄を発表する前日の21日、米政府の特命使節と、ホワイトハウス国家安全保障会議の韓国担当官がソウルで韓国高官に会い、協定を維持するように促した。この時点でも、協定破棄を知らされていなかったという。

 米国がこれだけ日韓関係を注視している理由は、北朝鮮の脅威にほかならない。オバマ前大統領時代、協定締結を支援していたアジア・太平洋安全保障担当のケリー・マグサメン氏は同紙で次の懸念を表明している。

「(日韓GSOMIA締結前は)危機の際、米国が日韓の情報交換の仲介をしなければならなかったため、その時間を短縮する必要があった。(GSOMIAは)不可欠なものだ。攻撃の可能性がある弾道ミサイルの発射などの軍事危機において、米国が仲介している時間などない」

 世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社であるユーラシアグループのジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長は、こう話す。

「米国の立場からすれば、文大統領は日本ではなく北朝鮮にフォーカスするべき。オバマ政権時代から、米国は韓国が北朝鮮にフォーカスできるように戦略的に支援してきた。米国が驚かされたのは、そのような歴史的経緯があったにもかかわらず、信じられないほどのスピードで、変化が起きていることだ」

 しかし、当の米国においても、トランプ大統領が「アメリカファースト(米国第一主義)」を掲げ、「独自路線」と「米国にとっての正義」を振りかざし、フランスやドイツ、カナダなど各国首脳から批判を受けている。気候変動対策のパリ協定からの離脱表明、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からも脱退するなど、国際協調に背を向ける動きを続けている。

 2020年大統領選挙での再選を狙うトランプ氏は、支持者を補強していくためにも、“アメリカファースト”をさらに強調していくのは間違いない。

 こうした背景から文大統領が、“韓国にとっての正義”という大義名分で、日本との緊張関係を高めることには、トランプ氏の影響があることを否定はできないだろう。


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい