YouTubeに投稿をはじめたのは、大学2年次。1年でチャンネル登録数が10万に届かなければ、夢をあきらめ、就職すると決めていた。テーマは自分たちがおもしろいと思うことをやる、ということ。初投稿動画「トランプできゅうり切れるまで帰れない」は、当初、再生回数が200回程度。それも「見ていたのはほぼ、自分たちじゃないかな」(カンタ)。

 投稿を地道に積み重ね、その年の11月には、目指していた登録数10万を突破した。

「自分たちを完全にプロデュースできて、テーマに縛りもなく、毎日無限大のステージに上がれた。YouTubeで勝負する意味はあったと思っています」(トミー)

 もちろん、揺らいだこともある。YouTubeのユーザーは、小中学生など低年齢層が圧倒的に多い。再生回数を増やすには、大人よりパイが大きい小学生を狙うほうが効率的だ。子ども向けの動画を作ったらどうか。

「子どもも大人もワクワクしない、微妙なものができてしまった。自分たちがおもしろいと思うことを、自分たちが勝てるところで正直にやるのが大切なんだと思います」(カンタ)

(ライター・仲宇佐ゆり 編集部・澤志保)

AERA 2019年9月9日号より抜粋