・つかまり立ちの頃

 椅子につかまり立ちして椅子と一緒に後ろに転んで頭を打ったケース、大人用のうどんの鉢を引き寄せてやけどをしたケースがありました。つかまり立ちをし、伝い歩きをする頃は、さらに興味関心が増し、活動が活発になります。つかまり立ちをして棚の物を取ろうと引っ張って転倒したり、不安定なものにつかまり立ちして転んだり、家具の角に頭をぶつけたり。「あ!!」っと思うことが多くなります。自由に自分で動けるので、部屋の行き来もします。お風呂やトイレに一人で行ってしまうと危険です。万が一の時のために、お風呂は残し湯をしないようにします。また、トイレやお風呂の掃除用の薬品にも注意が必要。口に入れると危険です。赤ちゃんが一人で別の部屋やお風呂などに行かないように、部屋のドアを閉めるクセ付けをしましょう。

・歩く頃

 いないと思って部屋中探したらトイレの便器の中にすっぽり入って座っていた、テレビ台の上に登ってテレビと一緒に転落した、割り箸を加えて歩いていて転倒して喉の奥を傷つけた、剃刀を触って顔を切ったなど、この頃の赤ちゃんは、親の思いもしないことをすることがあります。少しの段差なら自分の力でよじ登ることもできます。けがの程度も大きくなる可能性があります。1歳以降は、大人のすることをまねします。大人は、赤ちゃんによくみられていることを意識しましょう。ハサミ、カッター、かみそりなどの刃物にも興味を持ちます。台所にある物は大好きです。赤ちゃんが触ったら危険なものは手の届かない場所に。入ってほしくない場所には柵を設置しましょう。

 赤ちゃんは日々成長しています。今できることばかりに注目せず、「次はどんなことができるようになるのかな?」と予測を立てて対策すると、赤ちゃんを事故やケガから守ってあげることができます。(文/中田 馨)

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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