稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
8月1日のセブンペイの終了発表会見で陳謝するセブンHDの後藤克弘副社長(中央)ら (c)朝日新聞社
8月1日のセブンペイの終了発表会見で陳謝するセブンHDの後藤克弘副社長(中央)ら (c)朝日新聞社

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

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 不得意な話題に頭をつっこむのはどうかと思いつつ、いや不得意だからこそ黙っていちゃいけないだろうとも思い、何度目かのキャッシュレスの話題。

 セブン&アイ・ホールディングスが7月から始めたスマホで支払いできるサービス「セブンペイ」が廃止されるそうだ。利用者になりすました人にお金を勝手に使われる被害が相次いだためという。なるほど今更だが、キャッシュレスだろうが「盗難」と無縁ということはないのだな。

 ってことは、キャッシュレスのメリットとして必ず上位に挙げられる「現金を持ち歩かないので安全」というのは違うんじゃないか。で、残るメリットを見れば、つまりは便利でお得だと。ATMに行かなくていいとかポイントがつくとか……いやずっと思っていたんだが、これってつまるところ「無駄遣いのススメ」である。売る側の論理としてはわかる。超正しい。でも買う側にも論理がありまして、日本人がキャッシュレスを拒む理由の第一は「お金を無駄遣いしそう」。実に正確な認識である。

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稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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