中学受験を目指して塾に通っていても、「思うように成績が伸びない」「塾の授業についていけない」子どもは多いもの。そんなとき、個別指導塾や家庭教師の利用を考える家庭もあるでしょう。とはいえ、どんなことをポイントにして選べばいいのか迷うもの事実。「AERA with Kids夏号」(朝日新聞出版)では、中学受験の専門家にお話しを聞きました。

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「親御さんたちの悩みでよく聞くのは、授業を受けているのに成績が伸びないということ。これはある意味、当然でしょう。授業を受けるだけでは点数にはつながりません。もっといえば、授業は勉強の入り口に過ぎず、そこから始まる膨大な学習時間があって初めて、『勉強をしている』といえるのです」

 こう話すのは、大学入試の医学部受験に実績のある「名門会家庭教師センター」で中学受験プロジェクトチームに所属する金子智之さん。

 金子さんは、学習が点数につながるには、(1)授業を受ける→(2)理解する→(3)問題を解く、の3つのプロセスがあると言います。成績が伸びない、点数につながらないとしたら、このプロセスのどこかに問題があるからです。

 親御さんは、授業を受けさえすれば、それだけで安心してしまいがちです。子どもも何となくわかったつもりになります。しかし、授業を受けたら、教わった内容を自分で整理したうえで、理解できているかどうか実際に解いて確認する、または頭の中に残っている学習内容をアウトプットして、解答まで行きつくことができたところで、ようやく理解したことになるのです。

 とはいえ、わが子がどこに問題があるのか見極めは家庭では難しいもの。そのようなときこそ、個別指導や家庭教師などのマンツーマン指導を受けるのが解決への早道だといいます。

 それでは、よい個別・家庭教師とはどこで判断すればよいのでしょうか?

「集団授業のように、一方的に教える授業法ではあまり意味がありません。アウトプット中心の授業であることがポイントになります。子どもが解いている姿を見れば、どこでつまずいているかは、プロの教師ならすぐにわかります。そこをひとつひとつ確実に補っていく。その時点での思考力や理解度に合わせて、最も効果的な負荷を与えていきます。中学受験に限らず、大学受験でも同じ。アウトプットこそ学習の本質です。体験指導などでそのような教え方をしているかどうかを見極めるといいでしょう」

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AERA編集部
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