ジムの託児所(チャイルドケア)。生後2カ月から、1日2時間まで預けられる(写真/筆者提供)
ジムの託児所(チャイルドケア)。生後2カ月から、1日2時間まで預けられる(写真/筆者提供)

 生活の主導権をすべて子どもに握られていると、「ちょっとでいいから自分の時間がほしい!」という気持ちが定期的にやってきます。可愛い我が子だって、24時間常に優先するのは疲れるものです。

 そういうときでも、日本のお母さん、お父さんは一人でがんばってしまうのではないでしょうか。親としての責任感が、愛情が足りないと自分を戒めながら。親にも休憩が必要なのは、当然のことなのに。

 一方アメリカには、気軽にホイッと子どもを預けられる施設がたくさんあります。アメリカのベビーシッター利用率は58%にのぼると以前書きましたが、ベビーシッター以外にも選択肢がさまざまにあります。今回は、その選択肢の数々をご紹介します。

 ただですね、この記事を書くことには少し迷いがあったんです。こんなこと書いて果たして意味あるのかな、と思って。日本にも子どもの面倒を見てくれる施設はあるだろうから、「アメリカだけがすごいわけじゃないよ。日本の託児も充実しているんだから、勝手に心配しないでちょうだい」と思われるかたがいるかもしれません。

 それだけならいいんですが、悲しいのは「はいはい、これ日本では全部ムリですから。違う国の話をされても、日本で子育てしてたら関係ありませんから!」と思われる場合です。私は日本のお母さん、お父さんたちに絶望を与えたいのではなく、明るい気持ちになってほしいのです。

 もし「へ~、アメリカではこんなに小さい子も軽~く預けちゃうんだ。子育てって一人でせっせとがんばるもんじゃないのかもな」と思っていただけたら、少しは書く意味があるといえるかもしれません。さらに、心ある方が似たような託児サービスを始められたりしたら、大成功です。

 というわけで、やはり書いてみようと思ったのが拙文です。以下、子どもを預けることができるアメリカの施設5種類です。繰り返しますが、ここで扱うのは「ちょっと子どもから離れたい」と思ったときにポイッと──じゃなかった、ホイッと預けられる場所のみです。定期的に預ける保育園や託児所のようなところは除きます。全米を調査したわけではないので、私が見聞きした範囲に限ります。

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大井美紗子

大井美紗子

大井美紗子(おおい・みさこ)/ライター・翻訳業。1986年長野県生まれ。大阪大学文学部英米文学・英語学専攻卒業後、書籍編集者を経てフリーに。アメリカで約5年暮らし、最近、日本に帰国。娘、息子、夫と東京在住。ツイッター:@misakohi

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子どもを預けられる施設は?