世界中で通用する金地金には共通点がある。グッドデリバリー・バーなら安心(写真提供/田中貴金属工業)
世界中で通用する金地金には共通点がある。グッドデリバリー・バーなら安心(写真提供/田中貴金属工業)

 金の輝き、金の重みを自分の手で感じたい「現物派」は、金地金か金貨を買ってみよう。金地金の場合、一般的に一番大きなサイズが1キロ、小さなものは5グラムから買える。この記事では、田中貴金属工業で販売されている金地金・全9サイズそれぞれの値段を写真入りで紹介。さらに保管のポイントについても伝授する。

■地金の刻印が金の保証書になる 

「インゴット」とも呼ばれる、金地金の純度は99.99%の「フォアナイン」と呼ばれるもの。国内で流通し、売買に使われているのは500グラムや1キロのバーがメインだ。500グラム以下の重量のバーには「バーチャージ」という加工費用が上乗せされる。

 取引される地金には保証書などは付いておらず、表面に打たれた刻印が保証書代わり。特に大切なのは製錬業者名やマークだ。
ロンドン貴金属市場協会(LBMA)から公認溶解・検定業者の認定を受けた製錬業者の刻印があるバーは、「GDB(グッドデリバリー・バー)」と呼ばれ、世界中で通用する。日本国内でGDBと認められたバーを製造しているのは田中貴金属工業、徳力本店、石福金属興業、住友金属鉱山、三菱マテリアルの5社だけ。

 一方、金地金以上に一般の人にとって親しみやすいのが金貨だろう。
「ウィーン金貨ハーモニー」や「メイプルリーフ金貨」が有名だが、こちらも純度は99.99%。コインに刻まれたデザインなどが精緻なため、プレミアム料が金そのものの値段にのっている。そのため、同じ重量の金地金よりも少し高い値段で取引されている。

 たとえば2019年8月6日現在、貴金属会社で1オンス金貨の小売り価格(税込み。以下同)は18万3083円、 買い取り価格は16万7832円。1グラムあたりに換算すると約5886円で売られ、約5396円で買い取られている。

 一方、金地金の小売り価格は5437円、買い取り価格は5352円。コインのほうが1グラムあたり400円以上高く売られ、小売り価格と買い取り価格のスプレッドも金地金なら85円のところ、約490円だ。

 投資目的で買うならバーチャージという手数料がかからない500グラム以上のバー、記念品やお守りとしてならコインといった使い分けも一案だろう。

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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金地金は保管も大事