稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
使い終えた目薬の容器にゴマ油を入れ、スポイトのようにして爪と皮膚の間に油分を注します(写真:本人提供)
使い終えた目薬の容器にゴマ油を入れ、スポイトのようにして爪と皮膚の間に油分を注します(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】使い終えた目薬の容器にゴマ油を入れ爪と皮膚の間に油分を注す

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 この夏は仕事がどうもうまくない(本の執筆が進まず悶絶)一方、自分的に「おお~」と思う出来事が続いている。人生いろいろだ。

 と言いますのはですね、私、10年ほど悩まされてきた「巻き爪」を、なんと自力で克服したらしいのである! ということが、先日判明した。

 巻き爪、知ってますかね?

 足の爪がくるりんとなって皮膚に食い込み、歩くと痛い。辛い。会社員時代にお洒落すぎる爪先の細いヒール靴を履きまくっていたせいと思われる。だって当時はイメルダ夫人(古い)ばりの靴狂いだったのだ。おかげで我が気の毒すぎる爪は、巻いているだけでなく、いつも半分死んで黒ずんでいた。だから夏はいつも濃いネイルでごまかした。

 だが会社を辞めて収納ゼロの家に引っ越し、ネイル関係の全てを処分する羽目に。落ち込む気持ちを励ますため、今後は裸の爪を人様にお見せできる方向で努力するのだ、それはそれで挑戦に値すると自分を励ました。自転車生活になりヒールと無縁になったのも追い風であった。かくして私は爪虐待にようやく終止符を打ったのである。

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稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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