解釈の際に注意したいのは、本をぱらぱらとめくりながらでは細かなセリフや描写に気をとられてしまうので、本を閉じて大まかな流れを考えるということ。例えば「最初は臆病だった主人公が、どうなったお話?」と子どもに聞くなどして内容を解釈させ、さらに物語と重なる実体験はないか考えさせます。そうすると、物語に自分の体験を重ね合わせて、「自分はこう思った」「自分ならこうしたい」というまとめにつなげやすくなります。自分の体験を入れることで、ただの感想文でなく、自分の成長ストーリーにもなるのです。

「さらにオリジナリティーの光る感想文にしたければ、似たような体験ではなく、『頑張ってもかなわなかったこともあった』などと、主人公の成長と反対の体験を出して、反論しましょう」と福嶋先生。

 いずれにせよ肝は解釈。日ごろから、本を読んだら「AからBへ」という変化について親子で会話をしたり、変化を意識して2、3行程度の日記を書かせたりするのも有効だそうです。

「AERA with Kids秋号」では、読書感想文の書き方の詳しい手順や実際の作文例を掲載しています。また、読書感想文が書きやすいおすすめの本も紹介しています。(取材・文/竹倉玲子)

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2019年 夏号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子

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竹倉玲子
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