純金積立の場合、「積立手数料」や「年会費」はわかりやすいコストだが、スポット購入にかかる見えないコストや将来、引き出す際の手数料は意外に見落としがち(写真/フォトAC)
純金積立の場合、「積立手数料」や「年会費」はわかりやすいコストだが、スポット購入にかかる見えないコストや将来、引き出す際の手数料は意外に見落としがち(写真/フォトAC)

「老後資金2000万円不足問題」で、今まで以上に意識されるようになった資産運用。やはり老後のお金を作るためには長期投資が全体になるが、長期投資で大事なのは運用コストだ。

 長期間、年率何パーセントといった形で高い運用コストを徴収されると、その分だけ確実に運用成績がマイナスになってしまう。運用コストの分、資産を増やして初めて「プラマイゼロ」になり、それ以上に利益を生まないとあなたのお金が増えていかないわけだから、やはりコスト面には注意したいものだ。アエラ増刊『AERAwithMONEY毎月3000円で純金投資』では、老後資金運用の選択肢の一つとして純金積立を紹介しているが、純金積立にもコストは発生する。

 純金積立に関しては、「積立手数料」などは分かりやすいのだが、見えないコストもあるので、それに関しても後述する。ちゃんと把握して、納得してから始めたいものだ。

 先に要約すると、純金積立にかかる主なコストは「金を購入するための積立手数料」「年会費」「(金の)保管料」の3つである。

■積立手数料は1.5~3%

 金を積立購入する際には、月々「積立手数料」と呼ばれるコストがかかる。その金額は1.5~3%が一般的だ。

 たとえば、貴金属会社大手の田中貴金属の場合、純金積立は最低3000円からで、毎月2万9000円までは2.5%、4万9000円までは2%、5万円までは1%(2019年7月29日現在)。たとえば田中貴金属で純金積立を月々3000円で始めた場合、3000円分の金を購入するのに、その2.5%の75円の手数料が毎月の積立金と一緒に銀行口座から自動的に引き落とされる。

 年間3万6000円分の金を積み立てるのに積立手数料2.5%なら年間900円のコストがかかるということだ。これが1.5%の会社なら、同じ毎月3000円なら手数料は年間540円になる。手数料表示が税込みか税抜きなのかもチェックしよう。

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積立手数料は必ずかかる