これまでのサービスとは、少し毛色が違うのが、スポーツ専門の動画配信DAZN(ダゾーン)だ。

 17年、Jリーグと10年間総額2100億円強の大型契約を締結。海外リーグやカップ戦も数多く放送するなど、サッカーファンの心をつかんだ。また今年からは、プロ野球巨人戦のライブ配信も開始。映画やドラマのように巨額の製作費をかけなくても、毎週末試合があればそれがコンテンツになるスポーツは強い。これまでもWOWOWが音楽とスポーツで会員数を伸ばした歴史もある。

 ダゾーンジャパン エグゼキュティブ・バイスプレジデントのマーティン・ジョーンズさん(47)は、こう見ている。

「毎週末イベントがあり常に新たなコンテンツが流れてきますが、オフシーズンになると試合がない。そういう時期にも常に支払いがしやすい料金帯をキープするのもチャレンジです」

 新たな観客獲得のため無料動画配信サービスのAbema TVと提携。その親会社であるサイバーエージェントが保持するサッカークラブチーム「FC町田ゼルビア」の試合をAbema TVへサブライセンスしている。サービス側とユーザー側、そのコミュニケーションも重要だ。特に「応援」が目的のスポーツコンテンツではより一層その重要性が強まる。ジョーンズさんは、こうも言う。

「スポーツの世界はコミュニケーションが大事。ダゾーンとしても数年以内にさらに投資して、やっていければと思っています。スポーツというコンテンツを通してファンとコミュニケーションするサービスを作っていきたいと思っています」

 その一環として6月、東京・渋谷にスポーツカルチャーの創造と発信の拠点として「ダゾーン・サークル」をオープン。ダゾーンで配信されるスポーツを観戦しながら、飲食ができるスポーツカフェで、まさにコミュニケーションの場としてファンを集めている。

 異彩を放っているのがアマゾン プライム・ビデオだ。月額500円と他サービスと比べれば安いゆえ、可処分所得が高く、コンテンツやエンタメにお金を払う習慣を持っている人以外もサービスを利用している。

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