ネットフリックス、アマゾン プライム・ビデオのサービスが日本国内で開始され動画配信元年といわれた2015年から4年。今秋にはApple TV+のサービスが国内で開始され、!1月にはウォルト・ディズニー社独自の動画ストリーミングプラットフォームDisney+の立ち上げも告知されている。いわば動画配信「第2の波」の到来だ。各社はユーザーの獲得のため何に重きを置いているのか。
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各社が新規会員獲得の施策として重視しているオリジナルコンテンツの編成には、各サービスのカラーが如実に表れる。
「たとえば、アマゾンのローカルコンテンツは地上波的なものでグローバル展開は意識していません。ネットフリックスはグローバルで通用することが前提となります」(映像メディア総合研究所代表の四方田浩一さん)
アマゾン プライム・ビデオには松本人志の「ドキュメンタル」や「フリーズ」があり、ネットフリックスはアカデミー賞を3部門受賞した「ROMA/ローマ」を筆頭に、著名な監督がオリジナル作品を監督している。「クィア・アイ」といった現代のダイバーシティーを意識した人気コンテンツもあり、「クィア・アイin Japan!」が今秋配信予定で、水原希子や渡辺直美も出演する。
また、NTTドコモが提供する動画配信サービスdTVには「銀魂2」のようなオリジナル作品があり、日本テレビの子会社で11年にサービスを開始しているHulu(フールー)では大人気K-POPグループ、BTSの「We Love BTS 2019」などを独占配信している(「BBQパーティ編」が配信中、「ラスベガスインタビュー編」が8月3日から配信予定)。
課題もある。いまのところ定額制動画配信サービスのコンテンツは映画、ドラマ、アニメが中心だが、これらのオンデマンドビジネスだけだといずれ頭打ちになる。これに加えて今後5Gサービスの開始により、ライブコンテンツが配信でも積極的に扱われると予想される。前出の四方田さんはこう指摘する。