DeNAライフサイエンスの遺伝子検査サービス「MYCODEヘルスケア」。唾液を返送すると3~4週間で解析が終わり、サイトで結果が確認できる(撮影/写真部・張溢文)
DeNAライフサイエンスの遺伝子検査サービス「MYCODEヘルスケア」。唾液を返送すると3~4週間で解析が終わり、サイトで結果が確認できる(撮影/写真部・張溢文)
国内で受けられる主な遺伝子検査サービス(AERA 2019年7月29日号より)
国内で受けられる主な遺伝子検査サービス(AERA 2019年7月29日号より)

 市販の遺伝子検査が進化している。性格や才能、かかりやすい病気、自分に向いているスポーツの競技まで300項目程度がわかる。自らを知り、リスクに備えたい。

【国内で受けられる主な遺伝子検査サービスはこちら】

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 現在国内で市販されている主な遺伝子検査サービスは、3万円ほどで300項目前後が含まれるものが多い。届いたキットに自分で唾液や口内の粘膜を採取して送り返すだけで検査できる。

 今回筆者が利用したのはDeNAライフサイエンスが提供する消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODEヘルスケア」だ。

 唾液を採取し、同意書とともに返送すると、3~4週間で解析が終わり、サイト上のマイページから結果が確認できる。

 ログインして結果を開く瞬間、合格発表を待つような感覚に陥り、ドキドキしてくる。最初に表示されるのは病気と体質についての項目だ。

 MYCODEを担当するDeNAライフサイエンス・ヘルスケアサービス部の砂田真吾さんはこう説明する。

「このサービスで見ている項目は、検査項目によって比率は異なりますが、おおむね3割程度が遺伝、7割程度は環境要因が関係します」

 そんなに遺伝要因が小さいの?と思うだろうか。

 遺伝子検査というとよく引き合いに出されるのがアンジェリーナ・ジョリーさんだ。検査で遺伝性のがんの可能性がわかり予防的に乳房を切除した、という話題は大きな反響を呼んだが、彼女が調べた「家族性乳がん」は、遺伝子と疾患の関係性が明瞭で、特殊な遺伝子が原因の病気。こうした疾患の遺伝子検査は、医療機関でのみ行われる。消費者向けの遺伝子検査では取り扱うことはできないのだ。

 今から自分が開こうとしている結果は、医療診断や、確定的な情報ではないこと。環境要因のほうが大きく、必ずしも病気を発症するわけではないこと。リスクを知ったうえで、生活習慣の改善に役立てればいいこと。取材を通してしっかり理解したつもりでも、やはり動悸は止まらない。

 MYCODEの場合、最初に表示されるのは五つの「注目してほしい病気」だ。患者数の多さと、遺伝的に発症リスクが高いかどうかで選ばれるという。

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