島田高志郎(しまだ・こうしろう)/愛媛県出身。昨季のババリアンオープンで優勝。ステファン・ランビエールに師事し、スイスを拠点に練習(撮影/写真部・小黒冴夏)
島田高志郎(しまだ・こうしろう)/愛媛県出身。昨季のババリアンオープンで優勝。ステファン・ランビエールに師事し、スイスを拠点に練習(撮影/写真部・小黒冴夏)

 国内のフィギュアスケートの競技レベルが飛躍的に向上している。国際大会では今季以降、男子は複数の4回転、女子はトリプルアクセルを飛べることが表彰台の必須条件になりそうだ。中京大学の公開練習に参加した各選手のジャンプ改革への取り組みを追った。

【写真】本田、宮原、樋口…今季はジャンプ戦国時代!注目の選手たちはこちら

*  *  *

 今季は男女ともに本格的なジャンプ戦国時代が訪れる。男子は複数の4回転が当たり前になり、女子もトリプルアクセルや4回転に挑む選手が増える。中京大の公開練習に参加した選手たちは、ジャンプ変革期に備え、挑戦を繰り返していた。

 日本男子で、羽生、宇野に続く若手として期待されるのは、島田高志郎(17)と山本草太(19)の2人。島田は昨季のジュニアグランプリファイナルで4回転トウループを成功させ3位に。今季はシニアに上がり、スケートアメリカに参戦予定だ。

「トリプルアクセルはかなり安定してきました。4回転サルコウがまだ安定してきていませんが、4回転トウループに加えて2種類の4回転を入れます」

シニアに上がるためにハードな筋力トレーニングをこなし、身長174センチ54キロだった体を、56キロに増加させた。

「筋肉がついて、ズボンがきつくなりました。プログラムの振り付けをした時は、スタミナがなく滑り通せなかったのが、今は全てのジャンプを入れても最後まで滑り切れます」

 羽生のジャンプコーチであるジスラン・ブリアンにも指導を受けた。

「4回転ルッツを習い、1本だけですがクリーンに降りられました。『あなたが次に降りられることを、僕は知ってる』と言われて、『できる気がする』って思ったら跳べました」

 山本は2016年以降、2度の骨折と3度の手術を乗り越えた。いよいよ今季は飛躍のシーズンになりそうだ。昨季は最終戦のチャレンジカップで、ショート、フリーともに4回転トウループを成功させ優勝。

「今季のフリーは、4回転トウループが2本で、4回転サルコウが1本。集中して、すべて成功できるよう練習しています」

 右足首には3本のボルトが入った状態だが、確実に状態は良くなっているという。

「去年は1日1時間しか練習できない時もありましたが、最近は1日3時間くらい練習できていて、順調にきています。故障する前よりも、体の状態も技術レベルも上がっていて、以前は跳べなかった4回転サルコウも跳べるようになりました」

次のページ