7月19日に国内金価格5407円(田中貴金属の税込み小売価格)をつけた、金。6月からの急激な値上がりを受けて、貴金属会社やネット証券各社がこぞって提供しているサービス「純金積立」に資金が流入している。金に投資する手段としては身近なので、「金、上がっているみたい」と口座を開設する層が増えているのだろう。
月々3000円程度の少額資金から始められるので、それほど財布の負担にならない。毎月の積立金は自動引き落としなので、意識せずに貯蓄できる効果もある。積み立てた金は現物の金として引き出すこともできるので、「憧れの金に投資している」というセレブ感、おしゃれ気分も味わえる。純金積立の始め方や魅力について、経済ジャーナリストの田嶋智太郎さんが語ってくれた。
いいところばかりでなく、デメリットについても触れるので、金投資が気になっている人は必読。
(以下、アエラ増刊『AERAwithMoney毎月3000円で純金投資』より加筆・再構成)
■インフレ到来で初心者も興味津々
「平成の時代、20年以上にわたって物価の下落が続くデフレを経験してきた日本人は、金にそれほど執着してきませんでした。しかし世界的に見ても劣悪な日本の財政赤字がさらなる円安やインフレの引き金になる可能性は高いといえます。日本人が金と真剣に向き合うべき時代がすぐそこまで来ています」
と語るのは、商品市場など世界の経済情勢に精通したジャーナリストの田嶋智太郎さん。そう言われても、銀行で定期預金しかしたことのない人が、金融商品としては知名度の高い株や投資信託、外貨を飛び越えて、いきなり金に投資するハードルは高い。
「そのハードルをかなり低くしてくれているのが、毎月コツコツ少額資金を積み立てて金に投資する純金積立といえるでしょう」(田嶋さん)
アエラ読者にアンケートを実施したところ、すでに純金積立を始めている人の毎月の積立額は、最少が2000円(東京都・60歳男性・小売り自営業)、最多は2万円(静岡県・
57歳男性・公務員)。月々1万円の積立をする人が最も多かった。中には「純金投資を毎月1万円ずつ、25年ほどの長きにわたって続けていたら、長期投資がよかったのか、かなり値上がりした」(東京都・59歳男性・会社員)という人もいた。