今回利用したのはDeNAライフサイエンスが提供する消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODEヘルスケア」だ。「MYCODE fumfum」を追加購入すると、性格や才能などの項目が調べられる。現在調べられる項目から、記者や副編集長の適性として高野さんが注目した項目は「言語性IQ、打たれ強さ、報酬依存性、寝不足時の判断力、気分の落ち込み、粘り強さ」の6項目だった。

 商売道具の「言葉」を扱う能力、修羅場が続く校了前(=寝不足時)の判断力、PVなどに表れる読者の反応をモチベーションに変える姿勢(報酬依存性)、企画がボツになっても取材を断られても、落ち込まずに次の企画・取材対象を探し、記事を量産できる力(打たれ強さ、気分の落ち込み、粘り強さ)、というわけだ。

「なかでも言語性IQが最重要ではないでしょうか。営業の仕事なら、いらないって言われたけどもうちょっと粘ってみよう、と言葉でなく相手の顔色で判断することもありますが、インタビューはそうはいきません。記者の方にとっては、相手の言葉がすべてですよね」(高野さん)

 ですよね、ですよね、と言語性IQが高い記者(私)、ドヤ顔が止まらない。

 一方の副編集長。言語性IQは「それほど高くない」タイプと出てしょんぼりしていたが、「刺激への反応スピード」は「すばやい」。これが日本人の2.1%にしか当てはまらないという、なかなかのレアキャラだ。さらに「協調性」はやや低く、「数学的思考力」「数学の向き・不向き」は高め。

「こうして見ると、二人とも記者の適性は高いけれど、まるで別のタイプですね。副編集長は週刊誌も向いていますが、フリーのプログラマーなども合っているかも」(同)

 遺伝子情報に頼るまでもなく、普段の仕事ぶりから自信が持てればそれが何よりだが、長く働いていれば、自信を持てなくなる時期もある。

「検査を一つのきっかけとして、キャリアを振り返ってみたり、自分の強みを再認識して頑張る原動力にしたりしたらいいのでは」(同)

(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年7月29日号