京アニ、感情を揺さぶる作品の裏に経営陣の熱意「若い子を預かっているという自覚」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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京アニ、感情を揺さぶる作品の裏に経営陣の熱意「若い子を預かっているという自覚」

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伊藤恵里奈AERA
34人の犠牲者が出た京都アニメーションの事件現場。放火容疑事件としては、平成以降で最悪の被害規模になった (c)朝日新聞社

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「もうけの大半を原作を出版した東京の会社が取っていくのでは、現場で汗を流して動画を描いた人に申し訳ないというのが、理由の一つだったようです」

 森脇さんは13年に放送が始まった「たまこまーけっと」シリーズで、京アニのスタッフが京都市内の商店街でロケをする際に同行した。「京都の伝統や文化にふれて、それを作品内で深く表現して感動をもたらすんだと実感しました」

 低賃金・長時間労働が常態化したアニメ業界では珍しく、福利厚生を充実させた労働環境でも人気を集めた。

「東京にはフリーのアニメーターが大勢いるが、地方には少ない。経営陣は『若い子を預かっている』という自覚のもと、アニメーターを正社員にして生活を保障したのです」

 森脇さんは、放火の被害を受けた第1スタジオを訪れたこともある。「育児中のスタッフのために子どもが遊べるスペースがあるなど配慮されており、アットホームな感じでした」

 作品が高く評価される一方で、一部の原作ファンからは、キャラクターや物語の流れを大幅に変える演出に反発や非難の声もあった。

「犯人は宇治市の本社ではなく、アニメーターが集まる第1スタジオを狙った。被害にあった方々やそのご家族を思うとやりきれません」

(朝日新聞・伊藤恵里奈、編集部・小田健司)

AERA 2019年7月29日号より抜粋


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