「もう限界」…ブラック学校の非正規教員、残業は月160時間でも手取りで月17万円

野村昌二AERA
 私立高校で非正規教員の勤務の実態が問題になっている。長時間労働や残業代不払いに加え、経営者からも人格否定などを受け、精神的に追い詰められる教員もいるという。働き方改革が及ばない私立高校の現状を関係者らが語る。

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 都内の私立高校で非常勤として働く30代の男性教員は、昼間は二つの学校で教え、夜は塾の講師をしている。トリプルワークで働いても、給与は二十数万円。結婚もできず、将来が見えないと嘆く。

 正規の安定した職に就けるかわからない不安の中、疲弊し、燃え尽きる教員も少なくない。

「お前なんかいらないと言われたみたいで、すごく傷つきました」

 3月までの4年間、神奈川県内の私立高校で非常勤として働いていた20代の女性教員は言葉少なに語る。

 女性は1コマ2500円の授業を週18コマ担当し、運動部の顧問も務めた。テストの作成・採点、学期末の成績会議にもほぼ出席した。それでも給与は手取りで月18万円ほど。どうしても専任になりたくて、思いを管理職にも伝えてきた。

 だが、昨年4月ごろから管理職に、

「他の学校を探してみたら」

 と言われるようになった。モチベーションが下がった。

 女性が顧問をしていた運動部は5年連続全国大会に出場しているが、今年1月には副校長からこのように言われた。

「全国大会への出場は望んでいないから、頑張らなくていいよ」

 自分はもう必要とされていないと感じ、辞めることに決めたという。女性は言う。

「使う時だけ安く使って、私たちは使い捨てじゃありません」

 国は「教員の働き方改革」を掲げ、残業時間の上限を「月45時間、年360時間」と定めた。しかし対象は公立校の教員で、私立では長時間労働がまかり通っている。そもそも私立全体の傾向として労務管理が不十分で、タイムカードを導入している学校はほとんどない。

「長時間労働」と「残業代不払い」も蔓延している。

「限界を超えました。よく生きていられたなと思うくらいです」

 千葉県の私立高校で過去3年間、非正規の常勤で働いていた20代の男性教員は明かす。

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