民泊「かめハウス」/石巻の市街地にある民泊「かめハウス」。2匹の犬と遊べることも人気を呼んでいる。1泊4千円の設定で、180日間フルに埋まれば、約72万円/年の収入(写真:天野さん提供
民泊「かめハウス」/石巻の市街地にある民泊「かめハウス」。2匹の犬と遊べることも人気を呼んでいる。1泊4千円の設定で、180日間フルに埋まれば、約72万円/年の収入(写真:天野さん提供

 家計を見直しても目標に届かないなら、自分でも少し稼げるといい。元手をかけず、手軽に収入を増やす方法はないものか。記者が実践した、寝ながらチャリンとお金が入ってくる方策とは。

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 いつどこにでも追いかけてくるコヤツのおかげで、便利どころか、どれだけ手間が増えたか……って、スマホだ。でも、いいことも。例えばシェアリングエコノミー。貸したい人と借りたい人のマッチングが簡単になり、コツコツだけど老後資金を稼ぐ手軽な副業も可能になった。

 有名なのは民泊だ。IT企業に勤める男性(30代)も、2016年から約2年間、東京都品川区の持ちマンションで民泊を運営していた。自身はリビングで寝起きして、1LDKの個室をゲストに提供。目的は「海外の友人作り」などだったが、年間100泊前後提供し、50万~60万円の収入があったという。

 ただし家具、寝具、案内の作製など、初期コストや手間はかかった。そんななか18年6月に「住宅宿泊事業法」(民泊新法)が施行された。ホストの届け出の義務や「年最高営業日数180日」などのルールが生まれ、「手続きが煩雑になった」ことから民泊ホストをやめたという。

 一方、新法施行後に民泊を始め、成功させている人もいる。宮城県石巻市にある、犬と泊まれる民泊「かめハウス」のホスト、天野美紀さん(41)だ。本業はフリーランスの建築設計士だが、震災ボランティアで訪れた同地に、4年半前に転居。「被災地に来てくれた観光客らに、リピーターになってほしい」という思いから、事務所を兼ねた賃貸一戸建てで、昨年8月民泊を始めた。

「新法では家の図面を提出したり、賃貸住宅では家主の同意書を提出したりするなどの手続きが必要。ただし住んでいる家にゲストを迎える場合は、書類がそろえば、今からでもホストになれると思います」(天野さん)

 収入もなかなかだ。8畳と6畳の2部屋を提供し、1部屋1泊4千円(リピーターは1千円引き)。実際に観光客などのリピーターも多く「家賃を民泊の収入で賄えることもある」という。

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