「PLAYZONE(プレゾン)」は1986年から2008年まで「少年隊」が主演を務め、それ以降はジャニーズの後輩に受け継がれたオリジナルミュージカルだ。15年、東京・青山劇場の閉館にともなって終了したが、30年にわたって夏の風物詩となった。

「KinKi Kids」の堂本光一の代表作「Endless SHOCK」は00年に始動し(当時は「MILLENNIUM SHOCK」)、今年3月31日に上演回数1700回を達成するなど、光一が単独主演の記録を伸ばし続けている。

「DREAM BOYS」は04年に始まり、滝沢秀明や「KAT―TUN」の亀梨和也らが主演、18年は「Kis-My-Ft2」の玉森裕太が主演を務めた。今年も「King & Prince」の岸優太や神宮寺勇太らにより上演される。

 18年いっぱいで芸能活動を引退した滝沢秀明の代表作「滝沢歌舞伎」は06年「滝沢演舞城」として始まった和物ミュージカルだ。滝沢引退後の19年もキャストを変えて上演された。

 東京・帝国劇場で12年にスタートしたミュージカル「ジャニーズ・ワールド」(後に「ジャニーズ・アイランド」と名称を変える)は年ごとにタイトルを変えて上演。「平和の尊さ」「子どもたちの可能性」「日本の素晴らしさ」など直球のメッセージを発信してきた。

 これらの舞台に出演したタレントのなかには、錦織一清、光一、滝沢のように、自ら舞台の演出や脚本に関わっていく者も生まれた。

 ジャニーさんの手がけた舞台にはいくつか特徴がある。

 一つは、凝りに凝ったアクロバティックな演出。舞台の転換は、一瞬のもたつきも許さず、極めてスピーディーに行われる。

 圧巻なのは、歌舞伎の宙乗りを現代的にバージョンアップし、ワイヤを使って空中を滑らかに飛ぶフライング。「Endless SHOCK」の光一も、「滝沢歌舞伎」の滝沢も、1度の公演で何度も飛ぶ。空中からタレントの汗が落ちてこようものなら、客席は大喜びだ。

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