7月3日午後、フィンランドのニーニスト大統領夫妻を表敬し、あいさつする秋篠宮ご夫妻(代表撮影)
7月3日午後、フィンランドのニーニスト大統領夫妻を表敬し、あいさつする秋篠宮ご夫妻(代表撮影)

 6月27日から7月6日、秋篠宮ご夫妻はポーランドとフィンランドを訪れた。皇嗣となって初の海外訪問だが、二人は民間機を使うなどこれまでの姿勢を貫いた。同行した記者が見た「皇嗣流」とは──。

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 7月1日には、ワルシャワのポーランド科学アカデミー・ポフシン植物園を訪れ、国交樹立100周年を記念した植樹式に参加。春と秋に咲く種類のサクラが植えられ、付近一帯は式典を記念して「令和サクラガーデン」と名付けられた。

 ポーランド、フィンランドの両国で、大統領が開いた昼食会にも出席した。国際的にも、「皇嗣」として尊重され、接遇される機会が増えている。

 だが、秋篠宮さまは、皇嗣となっても一般の人と同じ列車の車両に乗るなどいわゆる「特別待遇」を避け、自然体を好むことで知られる。そうした考えかたが、影響を及ぼしたこともある。

 今回、現地までの交通手段として、天皇や皇太子が利用する政府専用機ではなく、民間機を利用した。皇太子と同等の立場での公式訪問ゆえ、政府専用機の利用が想定されたが、これまでの訪問同様、民間機が選ばれた。

 秋篠宮さまは、訪問前の会見で、民間機利用を含めた警備態勢について、「市民生活に何か不都合なことが起こる、それは避けたいなと思っています」と語っていた。

 だが、民間機の場合、天候や他のフライトの飛行状況などによって遅れが生じることもある。

 地元の人によると、ご夫妻が経由したドイツ・フランクフルト─ワルシャワ間の航空便は、便数の関係から遅れることは頻繁にあるという。実際、今回も影響が出た。6月27日、最初の訪問地・ポーランドのショパン空港への到着は、1時間余り遅れ、あたりがすっかり暗くなった午後11時前だった。この季節のワルシャワは午後9時ごろにようやく日が落ち始めるため、定刻通りであれば薄闇に包まれた頃だったはずだ。歓迎の意を表すかのようにライトアップされていた宿泊先の迎賓館は、ご夫妻が到着した午後11時半ごろ、ようやく照明が落とされた。

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