それでは、サバ缶、イワシ缶のさわけんさん的ベストをはっきり教えてもらいましょう!

「『美味しい鯖水煮』は、手頃な価格で脂のノリが抜群。柚子胡椒や七味、レモンなどでアクセントをつけるのがおすすめです。『いわし蒲焼』は、濃いめの味を料理に生かすのがいいですね」(同)

 ここでちょっと残念なニュース。いわし蒲焼缶は製造の都合により休売中とのこと。ただし、「『秘伝 いわし蒲焼』がほぼ同じ味」(マルハニチロ広報担当)なので、ご安心を。

「イワシ缶もサバ缶も、調理する時は汁を捨てずに使うこと。栄養も旨味も含まれています」(同)

 さわけんさんの声がするが、いま食べるのに忙しいんで……。

 最後に、缶詰博士の黒川勇人さんの格言を。「缶詰は素材が命」。「素材9割、味付け1割」という言葉もあるという。

「たとえばサバ缶は、脂のノリの差が明確に出やすい。価格の差は素材の差、脂のノリの差と考えるといい。そのまま食べるなら、1缶250円以上のものがおすすめです」(黒川さん)

(ライター・羽根田真智)

AERA 2019年7月8日号より抜粋