AERA 2019年7月8日号より(イラスト:土井ラブ平)
AERA 2019年7月8日号より(イラスト:土井ラブ平)

 内臓脂肪を減らすには9割は食事。だが、無理な食事制限は禁物だ。健康的なダイエットを助けるスーパー食材を紹介する。

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「たとえるなら皮下脂肪は定期預金で内臓脂肪は普通預金。内臓脂肪は比較的早く落とせます。落とすための唯一の方法は、ダイエットです」

 こう話すのは、『内臓脂肪を落とす最強メソッド』の著者で池谷医院院長・池谷敏郎医師(57)。なるほど、ではまずは食事の量をごっそり減らして……と思ったあなた、間違いです。実は池谷医師も、過去にダイエットで手痛い失敗をしている。

 現在はスリムな体形で、57歳とは思えないほど若々しいが、36歳の頃は「おなかぽっこり」の典型的な肥満体。一念発起してダイエットを始めたが……。

「やせていくのが面白くて、食事制限をやり過ぎました」

 身長173センチで79キロあった体重は一挙に62キロに。17キロ減。喜びもつかの間、弊害が現れた。

「皮膚は垂れ下がり、骨は浮き出て、やせこけた老人みたいな体になってしまったんです。極端なカロリー不足だった上に、運動もしなかったせいですね」

 それを教訓に、食べ方を工夫し、トレーニングもして体を作ったのがこの5、6年のこと。現在、体重は65キロ。体脂肪率は10%台をキープしている。

 池谷医師曰く、内臓脂肪を落とすなら「食事が9割」。今まで食べていた糖質量を半分に減らし、食事による血糖値の急上昇を防ぐことが重要だという。

「糖質を取りすぎて血糖値が上がると肝臓から余分なインスリンが分泌され、血中の糖分を脂肪として脂肪細胞に取り込むよう働きかけてしまいます。結果、太りやすくなってしまうんです」

 糖質の量は、1日のトータルで考えれば問題ないという。

逆に意識して取りたいのは食物繊維が豊富な野菜やキノコ類、大豆製品だ。食物繊維は血糖値の急上昇を抑える働きがある。さらに腸内細菌によって満腹感を増す腸管ホルモンを出すなどして肥満を防ぐ効果のある短鎖脂肪酸に変えられ、脂肪の燃焼効率を高める。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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