藤原:ティナにとっては、蜷川実花演出がすごく力になったと思うよ。求められているものが抽象的で、どうしたらいいのか分からない、と思うこともあったかもしれないけれど、自分のなかで吸収して自分なりに演じてみる方法というのは、何かしらあるわけで。そこを学べて、いい演出だな、と隣で見ていて思ったけれどね。

玉城:20歳でこの現場を経験できたことは、その後出演した作品にも生かされたような気がします。この現場をもう一度経験したいか、と言われたらそれは少し違うかもしれないけれど(笑)。

藤原:そんなこと言わないで、やろうよ、「Diner ダイナー2」。アクションも面白かったよね。僕と真矢ミキさんは逆歩きをして、動き一つ一つを計算しながら演じるシーンがあって。すべて逆回転させるんです。行動を逆にしながらも、ゆっくり動けばいいので、身体的には何の苦労もないんですけれどね。面白い撮影をしている、という実感はありました。そんなアクション、観たことないですし。初めての経験でした。

玉城:私はこれから20、30代、女優生活を送るうえで、この作品が一つの道しるべになるような気がしています。常に比べる対象として「ダイナーのときはこうだった」と、思い返したりすることが多くなる作品なのかな。女優をやっているかはわからないですけれど。

藤原:そんなこと言わないでよ(笑)。女優やっていこうよ。

(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2019年7月8日号より抜粋