ここまで見てきたように、「たまたま」型落ちになるタイミングが増税前と重なる商品はあるが、基本的には家電の買い時は増税前ではないようだ。戸井田さんは言う。

「家電は壊れる前兆のサインを見逃さず、買い替えのタイミングと、市場で安くなるタイミングがあう時期を狙うのが大切です。増税前だからと、慌てる必要はありません」

 一方、わずかだが増税で値段が上がりそうな家電もあるという。アップル、ダイソン、バルミューダ、アイロボット(ルンバなど)といった、ブランド名での「指名買い」がある高級家電だ。

「これらは“型落ち”という概念がありませんし、量販店のセールにも乗らないことが多い。増税分は価格に転嫁される可能性が高いです」(戸井田さん)

 記者も、iPhoneの買い替えを考えている。

「ならば、増税前がいいタイミングだと思います」(同)

(編集部・川口 穣)

AERA 2019年7月1日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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