2014年の消費増税直前、家電量販店は駆け込み需要に沸いた (c)朝日新聞社
2014年の消費増税直前、家電量販店は駆け込み需要に沸いた (c)朝日新聞社
19年7月以降の家電の買い時は?(AERA 2019年7月1日号より)
19年7月以降の家電の買い時は?(AERA 2019年7月1日号より)

 10月に消費税が10%になる前に家電を買い替えるべきか待つべきか。生活に密着した主要家電のベストな買い替え時期について、家電アドバイザーの鴻池賢三さんと家電コーディネーターの戸井田園子さんがアドバイスする。

【ひと目でわかる表はこちら】今年7月以降の各家電買い替えのベストタイミングはここだ!

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 例えば、洗濯機は縦型が5月ごろ、ドラム式が10月ごろに発売のピークを迎える。今の時期、縦型は市場から型落ち品がなくなったタイミングで、店頭で売られているのは発売から日が浅く、比較的高価格なものが多い。一方、ドラム式は新製品発売が近づいて価格が安くなっている時期。増税前後が買い時と言えるだろう。

 テレビの新製品は例年6月が発売のピーク。つまり、ちょうどいま旧モデルが底値になっている。ただし、テレビについては必ずしも型落ちをすすめないと鴻池さんは言う。

「テレビなどのデジタル家電は新製品の発売価格自体が下落傾向で、型落ちだから“新モデルの半額!”ということはありません。さらに、今年の新モデルは4Kチューナー内蔵のものが多い。将来的に4Kを見るなら、新モデルのほうがいいでしょう。そして、新モデルは概算で月3~4%ずつ安くなっていくので、無理に増税前に買うメリットはありません」

 エアコンは11~12月にフラッグシップモデルと呼ばれる最高級品が発売され、1~2月に全商品が出そろうので、増税後が「型落ち」のタイミングにあたる。とはいえ、エアコンは夏にこそ使いたい。戸井田さんは言う。

「安くなるからと買うのを先延ばしにして真夏に壊れたら大変です。発売から半年たって価格もこなれているし、この夏を越せないかもしれない12~13年選手を持っているなら、夏前が買い替え時でしょう」

 一方、例年とはカレンダーにズレが出た商品もあった。発売直後の高値と増税が重なるのを避け、増税前に新製品の販売期間を確保したいメーカーが多かったためだ。

 冷蔵庫は例年、9~10月ごろが新製品発売のピーク。しかし、今年は3~4月に新製品が多数投入された。発売2~3カ月後は通常、旧モデルが市場からなくなり、新モデルもまだまだ高い時期。普通に考えると今は買い時ではない。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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