運用だけで100万円が2千万円になるわけがないのです。100万円が300万円でもとんでもないレバレッジがかかっており、そんな運用商品に手を出したら即死です。外貨建て変額保険、投信、発展途上国向けの通貨や債券、みんな紙切れです。絶対に買ってはいけません。

 60歳で貯金のない人がまずやること。自宅を売却してローンをゼロにする。すると毎月のキャッシュフローが確保でき、貯金をする余資が生まれる。仮に月5万円貯金を始めれば5年で300万円。70歳までには600万円が確保できる。精神的に大分余裕を持てるし、今のような世界中資産のすっ高値みたいな状況からは抜け出している可能性だってあり、そこで安心な投資を検討すればいいのだ。

 まずは300万円を手元に置くことから始めよう。運用を考えるのはその先の話で、100万円の貯金もない人が運用なんて絶対に考えてはいけない。そういう人が「鴨葱」なんです! ご注意を!!

AERA 2019年7月1日号

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ぐっちー

ぐっちー

ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

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